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ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第26話》

JUGEMテーマ:ものがたり


ウメッピは、今日何度目かのため息をつきました。

視線の先では、すっかりくつろいだ様子の長老が、
実に美味しそうに、ウメッピが淹れたお茶を飲んでいます。

空になったお茶請けの容器を、すすす、とこちらに押しやって、
無言の要求をしているのが見えて、ウメッピは再び頭を抱えました。


「このところ毎日あんな様子で・・・ いいんすか?」

(谷を守る使命を託されたケル坊も、これだしな・・・)

長老の隣ではケルくんが、空になった『水戸の梅』の箱を抱えながら
ぷうぷうと鼻ちょうちんをふくらませています。

(ハタラク谷は、本当に大丈夫なのか・・・)


背筋を伸ばしてパチンパチン、と茎を切り、アジサイとフサスグリの花を活けていたシーちゃんは、顔をあげると、ふっと表情を緩めました。

「私は、長老のことを尊敬しているわ!」

「えぇっ! シー姐さんが!?」


「あれで、谷の皆にとっては、とても頼もしい存在なのよ」

「まさか・・・ 信じられない・・・」

振り返ってみると、澄ました顔で熱いお茶をすする長老。
お茶受けの容器は、さっきよりもウメッピの方に近づいてきているようです。


「そうね・・・
 それは、私がまだ幼くて非力だったときのことよ・・・」



 ◆◆◆



「先生、さようなら!」

「シーちゃん、気をつけて帰るのよ」

「シーちゃん、バイバイ!」

幼稚園1.jpg

今日も幼稚園の時間が終わり、
シーちゃんは谷のおうちまで、とことこと歩いていきます。

そのとき、突然誰かに腕を捕まれました。

「きゃっ!」



「へっへっへっ・・・ シーとかいう調子こいたガキはテメーだな! 
 さっさと、そのカバンをよこしな!」


リーゼントにモヒカン、パンク風味に巻きタオル・・・

いかつい4人組の不良たちが、幼稚園帰りのシーちゃんを取り囲みます。
カツアゲの集団に目を付けられてしまったのです。


「噂に聞いてるぜェ・・・ 幼稚園児の癖に、優秀らしいなァ?」

「よこせってんだろ! そんなに痛い目見てーのか!?」

パンク風味が、ガンを飛ばして凄みます。

幼稚園2.jpg


「おーっと! スキあり! いただき〜!」

いつの間にか背後に回っていたモヒカン頭が、
シーちゃんの黄色い園児バッグを取り上げてしまいました。


 バッ


「だめ! それは大切な・・・」

シーちゃんは、ぴょんぴょんと飛び上がって取り返そうとしましたが、
幼い女の子の力で、適うはずがありません。

モヒカン頭は、追いすがるシーちゃんを草の上に突き飛ばすと、
園児バッグの中身を地面にぶちまけました。


バサバサバサッ・・・


「ヒャッハー! 数兇噺醜颪龍飢塀颪世次
 こっちには、簿記のテキストまであるぜ!」

「すっげー! 日本銀行でも指定されてた『かめだけそろばん』じゃねえか!
 こりゃ、いい声で鳴くぜ!!」 ギュララララァァ


「ずるいぜ2人とも・・・
 じゃあオレは、古典と地理の教科書をもらうぜ!」

「『ターヘル・アナトミア』みーっけ!」

「幼稚園児の癖に、医学書だぁ? 贅沢なガキだ!」


砂糖に群がるアリのように、シーちゃんの教科書を奪い合う不良たち。
ハタラクマは、不良といえども皆勤勉な性質なのです。

幼稚園3.jpg


「やめて! 返して!」


「兄貴、兄貴もどうです?
 なかなかの美品、良品ですぜ!」

兄貴と呼ばれたリーゼント頭は、子分が差し出したシーちゃんの教科書を
一瞥して、ふん!と鼻を鳴らしました。

「俺様は、そんなモンには興味ねーよ。
 おいガキ・・・ まだ隠してるモンあるだろうが?」


じりじりと詰め寄るリーゼント頭。

「私・・・ 何も隠してなんか、いないわ!」

「じゃあ、これは何だよ!!」

後ろに隠していたシーちゃんの小さな手から、
大事に握っていた英単語帳をむしりとるリーゼント頭!


「やめて! それだけは取らないで!」

それは、シーちゃんが昨日徹夜で書き込んだばかりの
ピカピカの英単語帳でした。


「すげえ! 今時、ポケット英単語帳なんて、
 めったにお目にかかれないぜ!」

「さすがは兄貴、オレたちとは狙いどころが違いますね!」


「あったりめーよ、俺とテメーらじゃ、学習意欲が違うんだよ!!

リーゼント頭は、自慢のリーゼントを揺らして、すっかり得意気です。


「ほら見ろお前ら!
 ペラペラしてやんよ! ほーらほーら!」

「ぎゃはははは!!」 ギュララララァァァァ ← そろばんの音

「そんな! なんてひどい・・・」


そのとき!
木々の間から、何か赤いものが飛んできて・・・


ガッ!


「いてえ!!!」

「なんだ!?」


(えっ・・・ 一体、何が起こったの!?)

幼稚園4.jpg


痛みでうずくまるモヒカン頭。
驚愕に目を見開くシーちゃんの前に、現れたのは・・・




《第27話へつづく!》



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  • 2014.07.04 Friday
  • 08:00

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