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イベントマニア

【13天狗からお供え物を奪え! 日本三大奇祭 悪態まつり】

JUGEMテーマ:茨城/イバラキ


《 前回のあらすじ 》

笠間稲荷神社からの帰り道、迷子になってしまったケルくんたち。人を探して道を尋ねようと、愛宕神社を目指して山を登ると、思いがけず美しい景観に出会う。山頂でケガをしたケルくんは、宿泊所の親切なおじさんとの出会いもあり、そのままスカイロッジで1泊したのだったが・・・



 ワイワイ・・・

 ガヤガヤ・・・


「・・・? なんだか、騒がしいな・・・」

「Zzzz・・・」


ウメッピは、羽で目を擦りながら、むくりと起き上がりました。
ケルくんは隣のベッドで、まだいびきをかいています。


ウメッピは、パタパタと2階から降りると、よいしょ、と扉を開けて、
ログハウスの外に出ました。

「おお、いい眺めだ! 気持ちのいい朝だな!!」

外はひんやりと寒く、
深呼吸をすると、キンと澄んだ空気が肺一杯に入ってきます。


 ワイワイ・・・

 ガヤガヤ・・・


「何か、人が集まってきているようだな」


ウメッピは、懐から取り出した手拭いで、乾布摩擦を済ませ、
刀の素振りを何セットか行うと、ログハウスに戻り、
パタパタとベッドの方に戻ると・・・ ケルくんの鼻をつまみました。

「ケル坊、起きろ!! 下の方で、何かやっているみたいだぞ!!」 ムギュッ

「ウブアァァァアア!?!!??」 ガバッ


「よっ! 朝だぞケル坊!」

「ウメさん!? 僕・・・・
 今、ものすごくカサカサしたものが、顔に張り付いてきた夢を見ていたクマ!!!!」

(か、カサカサ・・・!?)

思わず両羽を見つめ、地味にショックを受けるウメッピ。

悪態まつり.jpg

「気をつけて帰るんだよー!!」

「世話になった!」

「ありがとうクマ〜!!」

ログハウスの中で朝食を済ませると、ケルくんたちは、
管理棟のおじさんにお礼を言うと、手を振って坂道を下りていきました。

「親切なおじさんだったクマ〜」

「そうだな! また泊まりにこようぜ!!」


おなかをさすりながらトコトコ歩くケルくんと、少し先をパタパタ飛んでいくウメッピは、昨日の駐車場のところまでやってきました。

「あっ! 車がたくさんとまっているクマ!」

「今日は、何か催し物でもあるのか?」

ぽつりぽつりと、鳥居をくぐっていく人たちが見えて、
ウメッピは首を傾げました。

悪態まつり1.jpg

(あっ! そういえば、今日は12月21日か・・・!?)

ウメッピは、スカイロッジの管理棟で、昨日ちらっと見かけたポスターを思い出しました。

悪態まつり2.jpg

「そうか・・・
 今日は、何かわからないが、祭りがあるんだな!」

「お祭りかクマ!? 楽しそうクマ!!」

興味をそそられたケルくんたちは、鳥居をくぐって
神社に行ってみることにしました。


 ◆◆◆


「わあ、ここが愛宕神社なのかクマ?」

愛宕神社の本殿
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「何か置いてあるぞ!」

「太鼓がたくさんクマ!」

悪態まつり4.jpg

「こ、これは・・・」

「ピノキオかクマ!?」

「天狗だろ!!! こんな老けたピノキオがいてたまるか!!!」

悪態まつり5.jpg

「この神社は、どうやら天狗を祀っているらしいな!」

=== 愛宕山の天狗伝説 ==========================

昔、愛宕山が岩間山といわれていた頃、筑波山、
加波山(石岡と桜川市の境にある山)と並んで、ここは天狗の修験道場の
ひとつであった。

ここには最初5人の天狗が住んでいたが、だんだん増えて12人となり、
やがて長楽寺(石岡)からひとりの天狗が加わったことで、
『十三天狗』と呼ばれるようになった。

天狗たちは、羽団扇を持って雲に乗り、大空を矢よりも早く飛び、
妖魔を打ち払い、厳しい修行で身につけた術によって重い病人を救ったり、
天候を予知して作物の豊凶を占ったりして、人々を幸せにしていた。

現在でも、飯綱神社の裏側に「十三天狗の祠(ほこら)といわれる
十三個の石の祠や、天狗修行の地といわれる石尊(せきそん)などが
残っている

==========================================

「・・・・12人まで増えた経緯が省かれていて、よくわからないな」

「『TNG13』でも結成するつもりだったのかクマ?」

「それは、気持ち悪いからやめろ!」

煌びやかなアイドル衣装を着た13人のミニスカ天狗が、顎ひげを振り乱して
乱舞する様子を想像してしまい、思わず身震いするウメッピ。


「あっ! 何か始まったみたいクマ!!」

出発前に飯綱神社でお祓いを受け、祠へのお供え物を受け取る天狗たち
悪態まつり6.jpg

=== 悪態まつりとは・・・ ==========================

神主と白装束と烏帽子で天狗の格好をした氏子総代達が、
山麓から愛宕神社まで4kmの道のりを歩き、
計16ヶ所の愛宕山中の神社や不動尊を巡拝しつつ、お供え物をして回る

この時に参拝客が、天狗に悪態(悪口)を浴びせたり、
天狗に邪魔されながらお供え物を奪い合うという
変わったお祭りで、日本三大奇祭のひとつといわれている

このお供え物を奪い取った人は、一年間幸せになれると言われている

天狗たちには、《無言の業》という掟があるため、
言い返したり、言葉を発することはできず、黙々と山頂の神社を目指す

=====================================-===

お祓いを終えた天狗たちは、青竹の杖を手にすると、立ち上がり・・・

悪態まつり7.jpg

どんどん石段を下っていきます。

「一体、どこへ行くんだ?」

悪態まつり8.jpg

石段を降りると、そこにとめてあった車に乗り込み・・・

(車で行くのかよ!!!)

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どこかに出発するようです。

(伝統行事も、次第に現代風に変えられていくんだな・・・)

行きはよいよい、帰りはこわい、である
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「ケル坊よ、オレはあの集団についていってみるから、
 この辺りで休んでいるといいぞ!」

「わかったクマ〜」

ウメッピは、パタパタと飛んで車の一台にしがみつくと、
車はゆっくりと走り出し、山を下っていきました。



「さてお立会い! 手前ここにとり出したる陣中膏は、これ『ガマの油』!」

「ガマといえば・・・
 ガマ洞窟、怖かったっけクマ〜」

ウメッピが戻ってくるまでケルくんは、
ポシェットの中に何かお菓子がないか、探ることにしました。

境内では、ガマの油の口上が行われている
悪態まつり11.jpg


一方・・・

ウメッピがついて行った天狗たちの一行は、麓で車を降りると、
列になり、のどかな道を歩いていました。

(なるほど、こうやって再び神社に戻っていくのか)

納得して頷いたウメッピでしたが、突然大きな声がして、びっくり仰天!


「「バカ天狗ー!」」


(な、なんだ!? 若者が、伝統行事を荒らしているのか!?)

思わずギョッとして、周りを見るウメッピ。

しかし・・・


「どうぞこの天狗たちに悪口を言ってください。バカヤロー!!」

(!?)

見ると、行列と一緒に歩いているお祭りの先導さんが、
拡声器で参加者を煽っています。


「ば・・・ バカヤロー!!」

「天狗のバカヤロー!」

「この、老いぼれー!!」


戸惑っていた参加者たちも、次々に悪態を浴びせ始めました。

(なるほど、そういう趣旨の祭りなのか・・・
 これはまた珍妙な・・・)

悪態まつり12.jpg

ゆっくり歩く天狗たちを追い越してみると、
道の先には、なにやら人だかり。

「天狗のやつら、早く来ないかなあ!
 奪い取ると一年間幸せになれるという、縁起のいいお供え物を、いいポジションでゲットするために、こうして早くから待ち伏せているのになあ!」

(なんて説明くさい台詞なんだ)

見ると、祠の前で、天狗を待ち伏せている人だかりの中に・・・


「ししし、シー姐さん!??!??」

「あらうめぼし、奇遇ね」

悪態まつり13.jpg

(どうして姐さんが、ここに!?)


「来たわね」

「はあ・・・」

草を踏みしめ近付いてくる、神主さんと13人の天狗たち。

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「いいわねうめぼし! 最小限の力を最大限に作用させて、
 一撃で仕留めるのよ」

邪悪な笑みを浮かべるシーちゃん。

「仕留めるって・・・ ちょ、ちょっとシー姐さん、顔!!
 顔怖すぎますって!!!」 ブルブル

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祠に近付き、供物を供えようとした天狗の耳元で、何事か囁くシーちゃん。

「!!!!!!」

ショックで、お供え物を取り落とす天狗。


「こらこらお嬢ちゃん、
 個人情報を特定してダメージを与えるお祭りじゃないからね」

「あら、そうなの」

「倒すとか、そういうことじゃないからね」

「まあ!」

可愛らしく頬に手を当てたシーちゃんの周囲には、めいめいに
心理的ダメージを負い、真っ青な顔で崩れ落ちる、天狗たちの抜け殻が・・・

(シー姐さんは、絶対に、敵にまわしたくないな・・・) ブルブル


 ◆◆◆


気を取り直して、仕切り直しです。

再び、祠の前に供物を供える天狗たち。

お供え中と神主のお祈りの間、天狗たちは、
青竹で叩いたり遮ったり体を入れ込んだりして、参加者からお供え物をガードしています。

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もみくちゃ状態
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「や、やった!! 取ったぞ!!!」

体の小さなウメッピは、争う参加者の体と体の間をすり抜けて、
お供え物をゲット!!

供物は、藁茣蓙(わらござ)、板で作られた御膳、十円玉を磨いた磨き銭、
和紙で包まれたお供餅、
幣帛(へいはく)、土器(かわらけ)、など
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その後も、次々と祠を回り、
参加者と無言の戦いを繰り広げ・・・

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お供え中も待ちきれない様子で押し合う参加者たちを、青竹で牽制
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まだかな・・・
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のどかな田舎道を過ぎると、次第に勾配が急になってきました。
次の祠に向かうため、階段を登っていく天狗と参加者たち。

その間も、絶え間なく浴びせられるバカヤローの声。

「ちゃんと歩け!」

「もたもたすんな!」

「しっかり参拝しろよ!!」

「転んでケガするんじゃねーぞ!」

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階段を登った先でも、争奪戦を繰り広げる
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供物を供える場所は、16ヶ所もあるのだから大変である
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次第に陽が傾いてくる
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天狗たちも体力勝負である
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かなり急な階段を登って進んでいく
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出雲神社
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竜神社
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六角殿
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十三天狗を祀った、十三天狗の祠などを巡拝していく
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巡拝を終えて、愛宕神社に戻ってきた天狗たちは、
本殿の中へ・・・

参加客たちが、続々と本殿の前に集まってきます。


「あれっ!! シーちゃん!?」

「あらケルくん、奇遇ね」

「ただいま戻ったぞケル坊よ! 実は、縁起のいい供物を手に入れてだな」

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話に花が咲いている内に、天狗たちが続々と姿を現しました。

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「なんだ? 今度は、何が始まるんだ?」

天狗たちの後ろには、ダンボールの箱がずらり。

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「棒みたいなものを、みんなが奪い合っているクマ!!」

ずっと使っていた青竹も、参加者に配られる
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「すごい迫力クマ!!」

「皆、全力だな・・・」

熾烈な争奪戦が繰り広げられる
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「参加者が、カゴを用意し始めたわ!」

「天狗たちが、ついに天狗の面を被ったぞ!」

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 ゴツン!


「いたいクマ〜」

「け、ケル坊ー!?」

「天狗たち、今度はお餅をまいているのね!」

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参加者の頭上を飛び交う、お餅やお菓子
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降り注ぐ餅、キャッチする人、拾い集める人・・・
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お餅をまき尽くした天狗たち。
そろそろおまつりもフィナーレです。

最後は、全員による「バカヤロー!」で締める
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境内に響き渡る、拍手の音。
みんな、毒を吐ききったような、すがすがしい顔をしています。


「楽しかったクマ〜! お餅もたくさんゲットしたし!!」

「ゲットといえば、ケル坊よ!
 オレもありがたい供物を手に入れてだな」

「さあ、水戸に帰るわよ!!」

「出発クマ〜!!!」

「・・・供物・・・・・・・・」


すっかりしょげてしまい、その後しばらく、供物ごとケルくんのポシェットに
引きこもってしまったウメッピだったのでした。


 ◆◆◆


麓から4kmの山道を登って、山頂の愛宕神社までが、お祭りのルートである
悪態まつり43.jpg


『悪態まつり』は、
笠間市の、愛宕神社で毎年開催されるお祭り

愛宕神社は806年に建てられ、火の神を祀り日本三大火防神社のひとつであるが、同時に境内の飯綱神社で天狗を祀っている


天狗にとっては、急勾配の山道を歩き、悪態を浴びせられ、
無言の業という掟により、言い返すこともできず、
持っている供物を奪われていくという、大変理不尽なお祭りである

ぶっとんだお祭りであるが、一応意味があり
天狗に悪態をつくことで、体にある罪や穢れを追い出すのだそう

お祭りが年の瀬に行われるのもそのためで、
天狗は穢れを引き受けるよう、白装束を着ているのだという

また、一説では
領主が政治に対する民の意見を聞くため、その時に限り無礼講にし、
どんな悪態を言っても罪にならないとして始まったとも

実は江戸中期に始まった歴史あるお祭りで、
毎年旧暦11月14日頃に行われており、
昔は真夜中から早朝にかけて開催していたが、安全上のこともあり、
現在では昼間に開催するようになった


特定の天狗を名指しで罵ってはいけないという、思いやりのルールがあったり、時には「かっこいい!」「最高!」「ありがとう!」という罵声(?)も

そもそも罪のない人相手であるし、ボキャブラリーが尽きてくると
皆、発する言葉は殆どがバカヤローであり、
悪態まつりというより、もはや、バカヤローまつりである


天狗といっても、天狗の面は、最後の餅まきのときにしか被らないので、
見た目はただのおじいちゃんたちであり、
罵声を浴びせることに多少の戸惑いがあるが、
祭りが終わる頃には、何かを達成したような爽快感と、不思議な一体感が生まれているという

祠での供物の奪い合いは、想像以上の激しさで、
幸せの御利益を掴もうと皆必死なので、
くれぐれもケガだけは、しないように注意!



【悪態まつり(あくたいまつり)】

アクセス:茨城県笠間市泉102
(車)常磐自動車道「友部IC」もしくは「岩間IC」から車で15分
(電車)JR常磐線「岩間」駅から徒歩50分(タクシーなら10分)

開催場所:愛宕神社

開催日時:平成26年12月21日(日)
13:30〜16:00

TEL:0296-72-9222(笠間観光協会)
http://www.kasama-kankou.jp/upsys_pro/index.php?mode=detail&code=450

 
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  • 2014.12.12 Friday
  • 08:00

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