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ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第14話》

JUGEMテーマ:ものがたり


「たのも〜!!!」

鼻歌まじりに、洗濯したてのふんどしを干していたウメッピは
ケルくんの声に気付くと、最後の一枚を急いで枝にかけました。

「来たなケル坊! 次の仕事が入ったんだって?
待ってろ、今熱い茶を出すからな」

ここは、ウメッピの住む偕楽園。
お仕事が決まったケルくんは、ウメッピのところへ報告がてらやってきたのでした。


「それにしても、ひでえ顔だな・・・」

「昨日ロープウェイの展望台で、豚丼を食べたところまでは
覚えているんだけどクマ〜」

「それ以上は、思い出さない方が幸せだぞ」
携帯販売1.jpg

「それで、今度は一体なんの仕事なんだ?
サンプリ・・・ ティッシュ配りじゃ、ないんだよな?」

「携帯電話売り場の、セールスプロモーションクマ!!」


「おお、すごいじゃねえか!!
要は、電話が売れるように、店頭にずっと立って頑張るんだよな」

「そうらしいクマ!! 人に見られるお仕事クマ!!」

「店頭に立つ以上、その店の店員になったも同じことだからな。
イメージを悪くするような行動は謹んで、お客さんに対しては、丁寧に接するんだぞ!」

「すぐ表舞台に立たされるから、イケメンは つらいクマ〜」


(不安だ・・・ ケル坊が店の顔として、店頭に・・・ 不安しかないぞ)

なんだか胃が痛くなってきたウメッピ。

「ちゃんと、大きな声で『いらっしゃいませ』だぞ!!」

「わかったクマ!!!」


   ◆◆◆


ついに明日は、待ちに待ったお仕事の日・・・

「決められたマニュアルなんかより、大切なのはおもてなしの心!
お店の顔となるからには、最高の『いらっしゃいませ』を、繰り出せるようになるクマ!!」

咳払いをして、鏡の前に立つケルくん。


「いらっしゃいませ」 キラーン

(違うな・・・)


「いらっしゃいませ!」 ファサッ

(もっと、こう・・・)


「いらっしゃいませ!!」 キラキラキラ
携帯販売2.jpg

(これクマ!! これで、お仕事もお店のイメージも、バッチリクマ!!!)


かっこいい挨拶の練習に没頭するケルくん。

目を通しておくべきマニュアルや、
携帯端末の情報冊子はカバンに入れっぱなしで・・・



 〜〜 お仕事当日 〜〜



「さぁ、張り切って働くクマ! お客さんが僕を見ているクマ!!」

店頭に立ったケルくんは、気合十分です。


「あの・・・」

「いらっしゃいませ!!!」 キラキラキラキラ

(店員の心得その1、おもてなしの精神で最高級の笑顔!)


声をかけてきた女の人は、ケルくんの方を見ずに
握り締めた携帯端末をじっと見つめています。

「スマホの買い替えを考えてるんですけど・・・」

「ホ!?」

「あ、えっと、スマートフォンです」

マニュアルを読んでこなかったケルくんの頭の中は
早くも、『?』でいっぱいになってしまいました。


「すまーと・・・ ほん・・・???」

「・・・ え・・・!?」

お店の看板とケルくんとを見比べながら、訝しげな顔をするお客さん。
咳払いをしてごまかし、慌てて胸を張るケルくん。

(ま、まずい・・・
店員の心得その2、自信がない様子を見せてはいけない!)

「いや、ゴホン、スマート本!!
最近流行っているクマ!! 持ち運びも楽々クマ!!」

(読書の話なら、得意クマ!)


「今使ってるのがこれなんですけど、
買い換えるときって、まず何からすればいいんですか?」

携帯販売3.jpg

(スマート本の、買い替え!?)

冷や汗でふやけたマニュアルを握り締め
しどろもどろになるケルくん。

(ピンチ! かっこいい挨拶や立ち方を練習するばかりで、
スマート本について、勉強するのを忘れていたクマ!)

「えーと、その・・・ 本だから、たぶん・・・ もにょもにょ



「チッ! 役立たずめが」

こっそり見ていたシーちゃんは、
華麗な側転をしながらケルくんの近くの棚の影へ移動!

専門養成所をトップで卒業し、ハリウッドでのスタント経験をも積んだ
抜群の身体能力による身のこなしは、しなやかで誰の視界に入ることもなく、音も立てません。

構えた腕時計から、キラッと針のようなものが飛び出し、
ケルくんのおしりに、勢いよく刺さりました。 その間、わずか3秒。
携帯販売4.jpg

プスッ!

「んほおぉぉ」 バタリ


「えっ? ・・・えっ!?」

突然倒れたケルくんに、戸惑うお客さん。


(悪いわねケルくん・・・ 真実はいつも、ひとつ!!!) カッ

鼻ちょうちんを膨らまし始めたケルくんを一瞥してシーちゃんは、
頭につけたリボンを外し、素早く操作すると、口元に当てて喋り始めました。



「・・・なんてのは、ほんの冗談でして!」

「な、なーんだ、そうですよね! 変な店員さん」

リボン型変声機を通して、シーちゃんの声は
ケルくんそっくりの声に変換されているので、お客さんも入れ替わりには気付かない様子。

携帯販売5.jpg

「お使いの端末は、ボコモ社のAndroid端末ですね。
電話帳・データのバックアップ、おサイフケータイの移行準備、アプリデータの引継ぎなどは、お済みでしょうか?」

携帯販売員としての一定以上の専門知識を証明する
MCPCケータイ実務検定に合格済のシーちゃんは、テキパキと手順を説明し始めました。



 〜〜 30分後 〜〜



「わあ、ピカピカ!
携帯が新しくなると、気分がいいですね! すごく丁寧に、ありがとうございました!!」

お客さんは、笑顔で手を振って帰っていきました。

奥から出てきた店長もニコニコです。

「やるじゃないかハタラクマくん!
目線より低い姿勢で対応することで、お客様も親しみやすく打ち解けてくれているようだし、その調子で頼むよ!」 ポン

パーン!

「モガ!? 

 ・・・う、うーん???」

肩をポンと叩かれた弾みで、大きな鼻ちょうちんが割れて
ケルくんは、寝ぼけまなこを擦りながら、辺りをボーっと見渡しました。

携帯販売6.jpg

そこに、女の人が何人か連れ立ってやってきました。

「あの、すみません!
さっきトモコが、ここの一見怠惰な接客スタイルの店員さんが、
すごく親切でよかったって・・・ 私も機種変したいです!」

「私も!!」

「最近の携帯の買い替えって、難しくって・・・
私も、いろいろ訊いちゃおうかな」

「なんだ? 今日はイベントでもやってるのか?」

「何の人だかり?」


「????」

状況を把握できずに、
ボリボリとおなかを掻きながら振り返ったケルくんが見たのは、
次々に群がり始めた大量のお客さんと、鬼の形相で腕時計を構えるシーちゃんの姿だったのでした。



《第15話へつづく!》



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  • 2014.01.17 Friday
  • 08:00

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