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ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第24話》

JUGEMテーマ:ものがたり


僕は、お風呂にいた。

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「まだ、消えちゃだめクマ・・・!」

僕の手の中で、小さくなり消えていく彼女。


『あなたに会えてよかった』


「どうして! どうして消えちゃうクマ!?」


『だって・・・ それが私の宿命だから』


「そ、そんなのって・・・」


『大丈夫よ、私は消えてもあなたのことを包み込んでいるから』


「嫌クマ! せっかく会えたのに!」

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『私、消えても、そばに・・・』


「待って! 待つクマ----------------!!!」


そして、僕の手の中から・・・






固形入浴剤は、泡となって消えていったのだった。




「ケル坊! どうした!!」

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(なーんてね・・・ ウフフフ)

「あっ! 入浴剤を勝手に入れちゃだめだって言っただろ!!
 またやりやがったな!!!」

入浴剤で綺麗に色付いたお湯に包まれてチャプチャプしながら、
妄想にひたるケルくんだったのでした。

バブ4.jpg


《第25話へつづく!》

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  • 2014.06.06 Friday
  • 08:00

ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第23話》

JUGEMテーマ:ものがたり


ハタラク谷の長老の朝は、早い。

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こうして
今日も一日、ハタラク谷の平和が守られた。

おやすみなさい。



《第24話へつづく!》

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  • 2014.05.23 Friday
  • 08:00

ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第22話》

JUGEMテーマ:ものがたり


ここは笠間の稲荷神社。
境内には、5月の爽やかな風が吹いて、気持ちのいいお天気です。

笠間兄弟1.jpg

イナリくんは朝から、あるものをおねだりしたくて、
キツネの兄者の周りをピョンピョン。

笠間兄弟2.jpg

「兄者! ねー兄者ってば!」

「ここを離れるわけにはいかねえんだ、後でな」

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「もういいよっ!
 べーっだ! 兄者のイジワル!!」
 
「あっ!こらイナリ! 待ちやがれ!!
 出かけるなら、ハンカチとティッシュを持ちやがれ!!」


 ◆◆◆


笠間兄弟4.jpg
 
裏山までピョンピョン走ってやってきたイナリくんは、
高い木の枝に座って、足をブラブラ。
 
「兄者は、いつも忙しい忙しいって・・・
 おいらのことが嫌いなのかなあ」


イナリくんには、日頃ずっと不安に思っていたことがありました。

兄者には怖くて聞けないこと。
でも、それが日に日に大きくなっていくのです。

イナリくんは、なんだかチクチクする胸のあたりを
ぎゅっと押さえました。

「おいらが、拾った子どもだから・・・」
 
「おいらがいなくなったって、
 兄者は探しになんて来てくれないんだ」


イナリくんのつぶらな瞳いっぱいに、涙が溜まり始めました。
 
 
「大事なお務めがあるから・・・
 うっ・・・ うわぁぁぁぁん」
 
えーんえーんと、泣きながらイナリくんは歩きます。

笠間兄弟5.jpg

あっちの家も、こっちの家も
民家の庭には、鯉のぼりが吊るされています。

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鯉のぼりは、「大切なわが子が健やかに育つように」との
願いがこめられたもの、家族の愛情の証だと、イナリくんはどこかで聞いたのです。

笠間兄弟7.jpg

「おかあさん・・・」

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イナリくんには、お母さんの記憶がありません。
生れ落ちたときから、ずっとひとりでした。
 
キツネの兄者は、出会ったときから
イナリくんを家族のように育ててくれました。
 
でも、血が繋がっていないのです。
家族だと証明できるものは、何もないのです。
 
大好きな兄者とも、いつか突然、
他人同士になってしまうかもしれません。
 
家々の軒先で、誇らしくその身を揺らす鯉たちを見るたびに、
イナリくんは胸の内に、
羨望と嫉妬が入り混じるのを感じて苦しくなりました。

 
 ◆◆◆


夕方のチャイムも鳴ったのに、
イナリくんの足は、稲荷神社から遠のいていきます。
 
(本当の家族じゃないおいらは
 兄者のところにいたって、困らせちゃうだけなんだ・・・)

 
下を向いてとぼとぼと歩くイナリくんは、
長く伸びる誰かの影を踏んで、立ち止まりました。
 
鼻水をすすりながら見上げたイナリくんを、ふわりと包んだのは、
視界いっぱいに広がる鮮やかな赤、金、眩しいほどの白・・・

笠間兄弟10.jpg
 
「はあ、はあ・・・ 
 お子様がこんな遅くに出歩いてちゃ、心配するだろうが! おやつの時間にも帰ってこねえで! 
 お出かけは、夕方のチャイムがなるまでって、約束しただろ!」
 
「兄者!?」
 
バフバフと布をかきわけて、隙間からようやく顔をだしたイナリくんが見たのは、境内の台座の上ではなく、商店街のアスファルトに凛と立つ、キツネの兄者の姿でした。

笠間兄弟9.jpg

「風を気って駆け回るのは、1350年務めを果たしてきて、
 2回目だったが・・・ 気持ちのいいものだな!」
 
「兄者、どうして・・・
 それに、この鯉のぼり・・・」
 
イナリくんを包んでいた色鮮やかな布は
憧れてやまなかった、
それはそれは立派な、赤い鯉のぼりだったのでした。
 
 
「イナリよ、俺が境内を離れず常に守らねえといけねえから、
 いつも、寂しい思いをさせちまって、すまねえな」
 
「まだまだ遊びたい盛りなのにな」
 
キツネの兄者は、
イナリくんの頭をくしゃくしゃと撫でました。

笠間兄弟11.jpg
 
「でも・・・ でも・・・」
 
大粒の涙を流しながら、
イナリくんは兄者を見上げました。
 
「おいらは、兄者のところに、いない方がいいんだ!
 お務めの、邪魔になるから・・・」
 

キツネの兄者は、イナリくんの目線までかがむと
じっと目を見つめました。

「いいか、イナリ」
 
「俺は、この笠間稲荷神社の境内から
 茨城県の、しいてはこの日本の、民の平和を守っている!
 お務めを任された俺が、勝手に動くことは、許されねえんだ」
 
「だがイナリよ、俺が境内の台座から降りた1回目ってのは、
 泣き声を聞いて、裏山で見つけた小せぇおめえを連れ帰ったときだ」
 
「おめえは、あの日から俺の宝だ!
 邪魔だなんて、思ったことは一度もねえんだ」
 
「兄者・・・」
 
「帰ろうじゃねえか!
 今日のおやつは、しるこサンドと昆布飴だったんだぜ」

笠間兄弟12.jpg
 
来たときには1つだった影。

商店街のあたたかい灯りに照らされて、歩く影は今度は2つ、
寄り添って アスファルトに長く伸びていたのでした。

笠間兄弟13.jpg

 
 ◆◆◆
 
 
「こらイナリ! 『仕上げはお母さん』が、済んでないだろうが!」
 
夜だけど特別におやつを食べてご機嫌なイナリくんは、
鯉のぼりに包まって寝床に潜り込みました。

 
灯りの少ない笠間の空は、見渡す限り満点の星空です。
 
今日もとてもいい日だったな、と
イナリくんは思いました。
 
『この日のことを、忘れずに覚えていよう』と、密かに誓うと
たくさん歩いて くたくただったイナリくんは、
あっという間に眠りに落ちていったのでした。

笠間兄弟14.jpg


 
《第23話へつづく!》

 
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  • 2014.05.09 Friday
  • 08:00

ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第21話》

JUGEMテーマ:ものがたり


前回のあらすじ》

今回は、交通量調査のお仕事に挑戦するケルくん。
山田さんと道路の両側に分かれ、順調に車をカウントしていたものの、
いつの間にかお菓子袋に一杯入っていたお菓子を食べるうちに、
おなかがふくれて眠ってしまった! そこに忍び寄る怪しい影・・・


ガッシャ ガッシャ!

ガッシャ ガッシャ!


(ムニャ・・・ 一体何の音クマ・・・)


ガッシャ ガッシャ!

ガッシャ ガッシャ!


「うう〜ん??」

春の陽射しを浴びて、おなかいっぱいで気持ちよく寝ていたケルくんは、
断続して聞こえる 何やら耳障りな音で目を覚ましました。

ガッシャ ガッシャ!
交通量?1.jpg

「うわわわわ〜!!! 一体何しているクマァァァアアア!!!」

「ヒャッハー! はちみつブシャー!!!」


目覚めたケルくんが見たのは、まな兵衛がカウンターの上で
ふなっしーならぬ、まなっしーと化して跳びまくっている光景でした。

せっかく数えて、あとは記入するだけだった数値もめちゃくちゃに!!
さらに、ウメッピがケルくんのために用意してくれた、特製の梅干しおにぎりまでムシャムシャ。

「やめるクマ〜!!!」


「やなこった! これでもくらうべ!! 梅干しキャノン!!!

ブホォ! ズガガガガ!
交通量?2.jpg

「ウギャー!!!」

飛散し、ケルくんの顔面に光速でめりこむ梅干しの種!

「ぎゃはははは! その顔!!」

爆発の煙で、真っ黒になって気絶したケルくんを見て、まな兵衛は大爆笑。


「バカ正直に、こっちが用意した菓子をバクバク食べてくれて、
 おかげで手間が省けたべ!! イヒヒヒヒ!!」


道路の反対側では、計測を終えた山田さんが
ケルくんと合流するために、キョロキョロと左右を確認し、こちらに渡ろうとしています。

「これで終わりだべ!!!」

勝利に酔いしれるまな兵衛でしたが、
突然 何か重苦しい空気を感じて辺りを見渡しました。


「うっ・・・ この感じは・・・」

交通量?3.jpg

「あらあなた、ずいぶんと楽しそうね・・・・・・」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ


「ま、まなっしー!!!」

シーちゃんの怒りに震える拳を見るや、慌てて逃げ出すまな兵衛。

交通量?4.jpg

「全く・・・ こんなこともあるだろうと思って、小型カメラを仕込んでおいて正解だったわ!」

ケルくんの側に落ちていた帽子を拾うシーちゃん。
梅干しキャノンの爆風にも耐えたシーちゃんお手製の帽子には、こっそりと超高性能小型カメラが仕掛けてあったのでした。

確かな腕を買われ、CIAの元工作員でもあったシーちゃんにとっては
このくらいは朝飯前なのです。

交通量?5.jpg

「さてと・・・」

シーちゃんは、映像が記録されたカメラとサングラス型のモニターを接続すると、あらゆる球技を得意とする動体視力と自慢の記憶力で
早送りされた映像から、カウンターも使わずに正しい数値を計測し始めました。

何時間分もの映像は、一瞬のうちに終わり、
山田さんがなかなか道路を渡れずにいる間に、記録表には正しい数字が書き込まれてしまいました。

交通量?6.jpg

「うぅ・・・ いたたたたた
 まるで梅干しの種が顔面に食い込んだかのような痛みクマ」

「ハタラクマさん、お疲れさまです!
 計測終了ですよ! 報告に行きましょう!」

「えっ! ・・・ えっ!?」


ようやく道路を横断してきた山田さんの声に、
ケルくんが慌てて記録表を見ると、びっしりと綺麗な字で全て埋められています。

「?????」

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「おっ! いたいた!! おーいケル坊!!」

「ウメさん! 来てくれたのかクマ!!」

「・・・ってなんだその格好はよ!
 熊本のゆるキャラみたいになってんじゃねーか!!」

体の前面だけ真っ黒なケルくんに突っ込みをいれるウメッピ。

ケルくんは、おにぎりを食べられてしまったことを思い出して
風呂敷の置いてあるほうを振り返りました。

「ウメさん、実は、おにぎり・・・
 食べられちゃったんだクマ・・・」

「何があったんだよ!?
 気にすんなよ、握り飯くらい、いつでも作ってやるからよ」


「あれっ!? 何か入っているクマ!!」

空っぽになっていたはずの風呂敷には、いつの間にか
桜の花びらとともに、彩り豊かなお花見弁当が入っていたのでした。

「ははあ、さてはシー姐さんの仕業だな」

「シーちゃんが、ここに来てくれたクマ!?」

交通量?8.jpg

大喜びのケルくんたちは、偕楽園の桜の下でお花見をすることにしました。
梅で有名な偕楽園ですが、実は桜の名所でもあるのです。

今年最後の晴れ姿とばかりに、ハラハラと風に舞う桜の花びら。

「仕事終わりの甘味は、五臓六腑に染み渡るぜ! なあケル坊!!」

「シーちゃんの料理は、世界一クマ〜!!」

交通量?9.jpg

喜んでお弁当を平らげるケルくんを見守って、微笑むシーちゃん。

もうすぐ、桜の時期も終わりです。



またひとつ仕事をこなし、成長したケルくん!
次第に深まる仲間との絆! 次のお仕事は一体何だろうか!


《第22話へつづく!》



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  • 2014.04.25 Friday
  • 08:00

ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第20話》

JUGEMテーマ:ものがたり


「オレは今日、尺八の講師があって応援に行けねえが、
 しっかりやってくるんだぞ!!」

「わかったクマ!」

「ほらよ、オレ様特製 梅干しの握り飯だ! 持ってけ!!」

「やったクマ〜!!」


ケルくんは、ウメッピからお弁当の包みを受け取ると
車の座席に ちょこんと座りました。

今日は、ケルくんにとって
久しぶりに、お仕事をする日なのです。

交通量8.jpg

「おっ! いっけね!
 ケル坊、シー姐さんが、熱射病にならねえように、
 こいつをかぶっとけってよ!」

「シーちゃんが、これを僕に!?」

ケルくんは、帽子を嬉しそうにかぶると、満足気な表情。


「出発しまーす」 ブルンブルン


「ウメさん、行ってくるクマ〜!!!」

「おう、頑張れよ!!!」


ケルくんの乗った車が見えなくなるまで、
両羽を振って見送ったウメッピでしたが・・・ 少し心配そうです。

「今日は『交通量調査』って言ってたっけか・・・」


(むう・・・・・・ ま、なんとかなるだろ)

楽観的に考えることにしたウメッピは、
背中の尺八を よいしょと背負い直すと、本日の教室へと
パタパタと飛んでいったのでした。


□■□■□■ 交通量調査とは ■□■□■□

道路、歩幅等の調整や
道路修復工事のタイミング、信号の切り替えるタイミングなどの
決定に必要なデータをとるために、交通量を調査するお仕事。

交通量が多く渋滞が発生するようなら大型道路化、
右折レーン敷設、迂回路の新規敷設など、
データをもとに状況の改善をするために行う。

他、コンビニやスーパー等の商業施設の新設を検討する場合に
立地が適しているかどうかの調査に使用されることもある。


方法はアナログかつ単純で、
道路脇や交差点に長時間座ったスタッフの目視により、歩行者や自動車の数をカウント。

カウント方法も、その時々の調査の目的により様々で
車の車種やナンバー、どちらの方向に向かったか、通行人の性別や年齢層など
詳細にカウントする場合もある。


交通量1.jpg

机とイス、イスのみ、車の中からカウントなど、スタイルは様々である
交通量2.jpg

カウントする項目が多種にわたる場合、複数のカウンターを同時に使用する
交通量3.jpg

大体の場合、こういった5連などの連なったカウンターを使用する。
上の突起を押すと、下に数字が反映されていく。


交通量5.jpg

連なったカウンターの、ひとつひとつに項目を振り分け、カウントしていく。
たとえば、車種をカウントする場合はこのように・・・


交通量6.jpg

カウンターに表示された数を、時間帯ごとに集計用紙に記録していく。
12時間や24時間など、長時間の調査になるので、時間帯ごとに何人かで交代する場合もある。


交通量7.jpg

車の中からカウントする場合もあるが、基本的には外で座って行うため
単純な仕事ではあるが、天候や測定場所によっては、厳しいお仕事である。

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■



シーケルから走ることしばらく、ついに観測地点に降り立ったケルくんたち。

早速、スタッフによる説明が始まります。

「えー、本日の調査は・・・
 中央分離帯のある片側二車線道路での、『断面交通量調査』になります。
 山田さんとハタラクマさんは、道の両側に分かれてのカウントをお願いします。」

交通量9.jpg

「じゃあ、僕はあっち側でカウントするクマ!!!」

シーちゃんの帽子効果で、やる気のみなぎるケルくん。
交通量10.jpg

交差点での調査だと、
どの車線からどこへ向かったかをカウントしていく必要があり、かなり複雑になってくるが

今回のケースでは、目の前を通る車だけをカウントしていくことになる。
これを『断面交通量調査』という。

A→Bのカウントは、もう一人のスタッフ山田さんが行うので、
ケルくんは、B→Aへと走ってくる車だけをカウントすればいいのである。

交通量4.jpg


早速、張り切ってカウントを始めたケルくん。

「えーと、ナンバープレートの「水戸」とか「土浦」の横の数字が
 3・5・7だったら乗用車、2がバスで、4・6が小型貨物・・・」

配られた紙を凝視しながら、やや緊張気味で車を待ちます。

交通量11.jpg

「あっ! これは、乗用車クマ!!」

ケルくんは、『乗用車』のカウンターを1回押します。

すると、カチッ、と気持ちのいい音がして
カウンターの数字が1に変わりました。

「わあ、なんだか面白いクマ〜」

交通量12.jpg

カチッ


カチッ


乗用車やバス、二輪車など、たくさんの車が目の前を通過して
ケルくんは、大忙しでカウンターを叩いていきます。

交通量13.jpg

カチッ


カチッ  カチッ


30分もすると、だんだん慣れてきたケルくんは
紙を見なくても、車種がわかるようになってきました。

「僕って、やっぱり天才クマ!?」

交通量14.jpg

慣れてくれば、単純作業です。

緊張の解けたケルくんのおなかが、
決壊したダムのようにグーグーと鳴り始めました。

「お昼にはまだ早いけど、お菓子くらいなら・・・・」


ケルくんが、ポシェットのお菓子袋を開けると・・・・


「こ、これは!?」

交通量15.jpg

ほとんど残っていなかったはずのお菓子袋は、パンパンに膨らみ
中にはお菓子がどっさり!!

「うわあ、日頃の行いがいいと、
 ハッピーなことがあるもんだクマ!!!」

特に疑問を覚えずに、ケルくんは
カウンターを片手に、お菓子をパクパクと食べ始めました。


〜〜〜 数分後 〜〜〜


「乗用車が1台、バスが1台・・・・ ムニャムニャ・・・」


たくさんのお菓子で、すっかりおなかが膨れたケルくん。
うららかな春の日差しの心地よさに、ついつい・・・

交通量16.jpg


とうとう眠ってしまったケルくん!!!
そこに忍び寄る、謎の影は一体・・・!?


《第21話へつづく!》


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  • 2014.04.11 Friday
  • 08:00

ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第19話》

JUGEMテーマ:ものがたり


「暇プリン!!」  ドン!
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「おかしいプリン! この物語は、しゃらくさいハタラクマ一族の小僧と
 可憐で女子力溢れるこのデスプリン様の、壮大かつ華麗な戦いの物語ではなかったのかプリン!?」


「最近、全然 報告もあがってこないようだし、
 さては・・・ まな兵衛! 職務怠慢かプリン!?」

「めめめ滅相もないべ!
 あいつら、最近全く働くそぶりもなくて・・・」


「ぐぬぬ! ハタラクマのくせに
 なんてぐうたらな小僧だプリン!!!」

(デスプリン様は、意外と真面目だべ・・・)
プリン2.jpg

「もういいプリン! こうなったら・・・ この私直々に、
 あのへたれ小僧を地獄のどん底へと突き落としてやるプリン!!」



 ◆◆◆



「まずは、へたれ小僧の周りをウロチョロする
 うるさいハエどもから、調査するプリン!」

「さすがデスプリン様、外堀から埋める戦法だべ!」
プリン3.jpg



「あ! あれは、いつも邪魔する小憎らしい小娘プリン!」
プリン4.jpg

(一体、何をそんなに熱心に呼んでいるプリン・・・)

プリン5.jpg

「・・・・・・・・・・・・」

(デスプリン様てば、見なかったことにしたべ・・・!)
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「む! あれは・・・
 いつもへたれ小僧の周りでパタパタうるさい鶏肉プリン!」

「あいつなら、ひとひねりだべ!」
プリン7.jpg

(一体、ジッとしたままで、何をしているプリン・・・)

シュバッ!

シュシュシュシュシュッ!


シュタタタタタタ!
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(ひえええええ!?)

(デスプリン様! あの鶏肉は
 昨日の夜TSUTAYAで、忍者映画を借りて観たようだべ!)

(め、面倒くさいものに影響されやがってプリン!!!)
プリン9.jpg



「おのれ、こうなったら・・・
 あのへたれ小僧に、間接的に手を下してやるプリン!!」

「あっ! あそこにいたべ!」

「相変わらず、頭の悪そうな顔でバカそうなことをしているプリン」
プリン10.jpg

(あんな高いところで、一体何をしているプリン・・・・)


「わっ! わわわ〜!」 グラグラ

(うっ!? この構図・・・ とても嫌な予感プリン・・・)


グラッ


「クマ〜」


「あっ」
プリン11.jpg

「プリ"ュッ!!!」

「あぁっ! デスプリン様が潰されたべ!!!」
プリン12.jpg


デスプリンたちダークサイドが勝利を収める日は、
どうやら、まだまだ訪れそうになかった。


《第20話へつづく!》



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  • 2014.03.28 Friday
  • 08:00

ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第18話》

JUGEMテーマ:ものがたり



「う〜ん・・・・・・ う〜ん・・・・・・」


バレンタインデーに、シーちゃんから特大鮭型チョコレートを貰ったケルくんは、大いに悩んでいました。

もうすぐ、ホワイトデーがやってくるのです。
何か素敵なお返しをして、シーちゃんのハートをガッチリ掴みたい!


「一体、何をあげたら喜ぶのかクマ〜」

ケルくんの頭に浮かんでくるのは、どれもこれも食べ物ばかり・・・

「どれも、インパクトに欠ける気がするクマ・・・」


 グー  ムググー


ケルくんのおなかも、悩ましげな音を立てて賛同しています。



「そうだ! ウメさんに訊いてみるクマ!!」

悩み疲れたケルくんは、物知りなウメッピに相談してみることにしました。


 ◆◆◆


「ふむ・・・ 話はわかった」

「うーん・・・
 ホワイトデーだから、何か白いものをプレゼントしようかクマ〜?」

ホワイト1.jpg

「白いもの・・・
 純真無垢な、シーちゃんにぴったりクマ!!」

(シー姐さんが、純真無垢・・・???)

獲物を追い詰めるが如き 鋭い眼光を思い出して、身震いするウメッピ。
ホワイト2.jpg

「でも、シーちゃんが喜ぶ白いものって、一体何かクマ?」

「白いやつにするのは、決定だな・・・
 どうせなら、実用性があるものがいいよな!!」


「こう、ガツーン!とインパクトがあるものがいいクマ」


 《 白くて、ガンガン使えて、インパクト大なもの・・・ 》


「任せろ!!!」

カチャカチャとパソコンを操作し始めるウメッピ。
画面を見つめていたケルくんの目が、次第に輝き出しました。


「すごい!! これにするクマ!!!!」



〜〜〜 ホワイトデー当日 〜〜〜



「待たせちゃったわね! ごめんなさい」

「僕も、さっき来たところクマ!」

ケルくんは、お仕事あがりのシーちゃんを公園に呼び出していました。
木々の間から、柔らかな日差しが降り注ぎ、2匹の姿を照らしています。


ケルくんの後ろに置いてある包みを見つけると、
シーちゃんは頬を染めて、うつむきました。

(ずっと、楽しみにしていたの・・・!)

シーちゃんは、ドキドキと高鳴る鼓動が、ケルくんに聞こえてしまう気がして
耐え切れずに口を開きました。

「それで・・・ 用って、一体何かしら?」
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「今日はホワイトデーだから、これをシーちゃんに贈るクマ!!」

大きな箱は、綺麗にラッピングされています。
仏花ではありません。 感動して、思わず目頭が熱くなるシーちゃん。


「まあ・・・・!!!」

(嬉しい!! このまま時間が止まってしまえばいいのに!)
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シーちゃんは、包装紙が破れないように、丁寧にラッピングを解くと
そっと箱を開けて、中身を掬い上げました。


(・・・!?)
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嫌な予感をひしひしと感じつつも、
何かびろびろと長いそれを、広げてみると・・・


「・・・・・・・・・・・・」

「ウメさんが最近はまっているお店で・・・
 どんな物にもお任せで、イカした言葉をプリントしてくれるんだクマ!!」
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思わず二度見するシーちゃん。

ふんどしです。
間違いなく、漢らしい立派な『越中ふんどし』です。


シーちゃんの頭に、
ソイヤ!ソイヤ!と猛々しい漢たちの、祭りの掛け声が駆け巡ります。


(ふざけているのかしら・・・!?)

チラリと見ると、期待に満ちた目で反応を待っているケルくんの姿。
大真面目の様子です。

シーちゃんは、ため息をつくと握り締めた拳を下ろしました。


(はあ・・・・・・ 仕方ないわね)


あらゆるマナー検定に合格し、自身も接遇の研修を数多く開催しているシーちゃんは、葛藤の末、感謝の気持ちを伝えて波風を立てない選択肢を選ぶことにしました。 相手を不快にさせないことが、マナーの鉄則なのです。


「ありがとう。 まだまだ寒いから、有効に活用させていただくわね」

手に持っていたふんどしを、サラリと首に巻いたシーちゃん。

パリコレモデルの経験もあるシーちゃんの、完璧なスタイリングは
ふんどしが持つ良さを最大限に活かしつつも、さりげない上品さを醸し出しています。


「うわあ、とてもよく似合ってるクマ!!」

「そう・・・・・・・」


思わず、再び拳を握り締めるシーちゃん。

(なんで、よりによってホワイトデーにふんどしなのよ!!!)

(あの歌舞伎な鶏肉の、入れ知恵かしら・・・) ゴゴゴゴゴ
ホワイト7.jpg


「シーちゃん?」

「あぁ ごめんなさい、
 びっくりしたもんだから・・・ (本当にね!!!)」

振り返って天使の笑顔を見せるシーちゃん。
内心、煮えくり返るはらわた。


「シーちゃんが喜んでくれて、よかったクマ〜」

「ええ・・・ 大切にするわね。 じゃあ、また」


手を振って可憐な様子で帰っていくシーちゃんを、
鼻の下を伸ばして見送るケルくん。


「・・・・・・」

(乙女のときめきを踏みにじるなんて、おのれ梅干し・・・!!!) ギギギ

シーちゃんの心の中に、ゴウゴウと燃え盛る地獄の業火・・・
ホワイト8.jpg

帰ったら1番に、あの使えない梅干しをシメてやろうと考えながら、
まだ少し冷たい春の風にふんどしを翻し、颯爽と歩いていくシーちゃんだったのでした。



《第19話へつづく!》


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  • 2014.03.14 Friday
  • 08:00

ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第17話》

JUGEMテーマ:ものがたり
 

雪が降り続き、すっかり真っ白に化粧した山は
スキー客で、連日大賑わいです。
雪山.jpg

そんな雪山の一角で・・・


「スキーよりも、暖かい場所で
美味しいものを食べていた方が幸せクマ〜」

スキー客を尻目に、
山頂のかまくらで、ひとり鍋をしていたケルくん。
雪山1.jpg

コタツの上のコンロで、グツグツと美味しそうに湯気を立てる味噌煮込み鍋。
いい具合に煮えてきた具材たちが、ダシの中でふるふると踊っています。

「ウメさんも、来ればよかったのに・・・ 
 ハッフ、アチチ・・・ うま!!!」

ケルくんは、大事な用事があるからと、早朝から張り切って出かけていった
ウメッピのことを思い出して、残念に思いながら、お椀におかわりを山盛りでよそりました。


そのとき!

お楽しみに大切にとっておいた特上のつみれだんごが、
つるっとお箸から滑って、雪上に転がり落ちてしまいました。
雪山2.jpg

「おっと、最後のお楽しみが・・・」

拾おうとしたケルくんのお箸をすり抜けて、
つみれだんごは、ぽーんぽーんと雪山を転がり落ちていきます。

「やや!? これは、一大事クマ!!」
雪山3.jpg

わざわざお取り寄せまでした、大切なつみれだんご。

ケルくんは、ころころりんと転がっていく特上つみれを追いかけて、
雪山をとことこ駆け下り始めました。

「待てクマ〜!!」



 ◆◆◆



その頃、山の中腹では
スキージャンプのラージヒル大会が開催されていました。

ほとんどの選手が滑走を終え、残すは最終滑走者のみ。
ほぼ優勝が確定している選手を、記者が取り囲んでいます。


パシャ! パシャ!

「ウメッピさん! このままいけば、連覇間違いなしですね!!」

「『赤き流星』の、強さの秘訣を教えて下さい!」
雪山5.jpg


ウメッピは、ゴーグルを外すと、咳払いをひとつ。

「『勝つ意欲』は、たいして重要ではない。そんなものは誰もが持ち合わせている。 重要なのは、『勝つために準備する意欲』である!」

「おぉ〜」

どよめく取材陣。 小さな胸を張って得意げなウメッピ。


「最終滑走者は、白のヘルメットに
緑のウエア、まもなくスタートだそうです。」

「申し訳ないが、記録をとるまでもなく
ウメッピの連覇は確実だな」



 ◆◆◆



「ホゲェェェエエエエエ!!!!」

その頃ケルくんは・・・
箸でつみれを掴んだまま、雪煙を立てながら後ろ向きに滑走していました。

つみれを追いかけて走っていたケルくんは、
キャッチすると同時に、落ちていた古木の板切れを踏みつけてしまい、
大開脚した末に、すごい勢いで滑り出してしまったのです。

雪山4.jpg

あまりのスピードに、ビロビロと風になびくケルくんのほっぺた。

おなかには、どこからか蔦がからまり
枝から落ちてきた雪の塊も浴びたままに、どんどん滑り落ちていきます。


 バーン! ガガガガガガ!


「いたいクマ〜」

弾力性に富んだおしりに、弾き飛ばされるバリケード。

やっと捕まえた大好物のつみれを、必死で掴んだままのケルくんは
いつの間にか、スキージャンプのコース内に侵入していたことにも
気付く余裕はありません。

「うわあああああ」

「なんだ君は!!」


「ブルワァァアアアアアアア!!??」




     シュバッ!!


雪山2.jpg

コースを急降下したのち、
勢いよくジャンプ台から飛び出したケルくん!


ビュ-----------------------------------ン


小柄ながら、ずしりと重いケルくんは
ウメッピたちの上空を、はるか超えて飛んでいきます。
雪山6.jpg


「す、すごい!! なんだ、あの選手は!!」

「白のメットに、緑のウエア・・・ 最終滑走者だぞ!」

「完全にノーマークだった! こんな選手が残っていたのか!?」

雪山7.jpg

予期せぬスーパージャンプに、一気に沸き立つ会場。


「わっ わっ わわ〜!!」 ドシーン


雪の上に大の字にめり込んだケルくんに、立派なメダルが掛けられ
取り囲んだカメラマンが、一斉にフラッシュを浴びせ始めました。
雪山8.jpg

「すごいジャンプでしたね!!!」

「新記録ですよ!! 何か一言!!!」

「どうしてお箸を持っているんですか!!!」



「うぅ・・・ つ・・・ つみれ・・・」 バタリ



「ご・・・ 号外だ! 号外だー!!」


こうして、つみれダイスキージャンプ事件は、
谷の笑撃ニュースとして、新聞の一面を大きく飾ることになるのでした。
雪山9.jpg


《第18話へつづく!》



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  • 2014.02.28 Friday
  • 08:00

ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第16話》

JUGEMテーマ:ものがたり


2月に入り、もうすぐ、1年に1度の
女の子にとって大切な日がやってきます。

『ワールド チョコレート マスターズ』で優勝し、
カリスマショコラティエとしても名高いシーちゃんの作るショコラは、
食べた人を笑顔にする『幸せを呼ぶショコラ』として、今年も大人気!

全国からたくさんのオーダーを受けて、大忙しです。

バレンタイン.jpg

「今年も、たくさんの片思いが実を結ぶといいわね」

鼻歌を歌いながら、手際よくボウルの中身をかきまぜていたシーちゃんは、
出窓に飾った植木鉢を眺めながら、
初恋の相手に初めて出会ったときのことを、思い出していました。



〜〜〜 ハタラク谷 〜〜〜


谷のはずれにあるその1軒の丸太小屋には、
ベッドに弱々しく横たわる、痩せ細った小さなクマと、
その手を握る、まだ幼い日のシーちゃんの姿がありました。


「姉ちゃん・・・ ボク、もうダメみたい・・・」

小さな弟クマの体の紋章は、日に日に薄くなり消えかかっていました。

シーちゃんは、それを見てさっと顔色を変えましたが、
ぐっと手のひらを握り締めて、明るく振舞います。

「そんなバカなこと、言わないでちょうだい! お姉ちゃんね、
やっと山岳ガイドとメディカルハーバリストの資格を取れたの!

お姉ちゃんが、今度こそ、あの山の薬草を取ってくるから、
そしたら・・・ こんな病、あっという間によくなるわよ!!!」

バレンタイン6.jpg

飛び出したシーちゃんは、堪えきれず溢れた涙をぬぐうこともせず、
大きな袋を抱えて、必死で走りました。

ハタラクマにとって、命取りである病、『ハタラケナイ病』を治すには、
安全な谷を出て、恐ろしい生物が棲むあの山へと登らなければいけません。

その森に生えているという、希少な薬草
『森々ハタラク草(モリモリハタラクゾウ)』さえ、あれば・・・


〜〜〜 あの山 〜〜〜


崖を登り、草を薙ぎ、シーちゃんの手足は傷だらけです。

(森々ハタラク草は、群生する植物だから、
きっとこの辺りに生えているはず・・・!)

「痛っ」

大きな岩をどかしたシーちゃんの爪の根元から
血が滲み始めましたが、歯を食いしばり、いくつもの岩をどかしていきます。

シーちゃんの瞼の裏に、小さな弟の笑顔が浮かびました。

(待っていてね! お姉ちゃんが、絶対に薬草を持ち帰るから!!)


最後の岩をどかしたとき・・・


「あっ!」

そこには、小さな森々ハタラク草が一輪、風に揺れていました。

バレンタイン4.jpg


(他には・・・)

しかし、周りを見渡しても、どうやら一輪しか見当たりません。

(せめて、一輪だけでも・・・)

シーちゃんが、大切な薬草を摘み取り、
袋に入れようとした、そのときです。


シュルシュルッ

「うまそうな匂いがすると思ったら・・・
 今日は豪勢な、生肉定食になりそうだぜえ」

不気味な音を立てて、シーちゃんの前に現れたのは、大きなヘビ!!

クマたちを丸呑みしてしまうこともあるという、恐ろしいヘビです。
血の匂いを嗅ぎ付けて、やってきたのです。

バレンタイン1.jpg

「・・・・!!」

じりじりと、後ろに下がるシーちゃん。
後ろ手で、何か武器になりそうなものを探しますが、見つかりません。


ヘビは、黄ばんだ太い牙を噛み鳴らしながら、ウネウネと近付いてきます。

「あらら! そいつは、森々ハタラク草じゃねえの・・・ へへへ
 こりゃあ、ツイてるぜえ! クマ肉ともども、いただきまー」


バリッ ボキッ

「フンヌァァアアアアアア!!??」


ヘビが大きな口を開けたそのとき、
何かがバキバキと音を立てながら、落下してきました。


ドシーン!! メリメリッ


「キャッ!」

ぎゅっと目をつぶっていたシーちゃんが、大きな音に思わず目を開けると、
そこには不思議な生命体が立っていました。


(えっ!!? 何!?)
バレンタイン7.jpg


よく見ると、それは仲間であるハタラクマの、おしりのようです。
木の洞(うろ)に、上半身を突っ込んだまま、抜けなくなってしまったであろう豊満なおしりです。

動けないおしりにラクガキして遊んでいたらしい鳥たちが、
上空から大笑いしています。


ハッとしてシーちゃんがヘビを探すと、
恐ろしいヘビは、おしりの木の下敷きになって、すっかりのびてしまっていました。


「いたた・・・ 折れるなんて、ひどいクマ〜」

慌ててシーちゃんは、おしりの主を引っ張り出すことにしました。


男の子クマは、なぜか顔がパンパンに腫れています。

「危ないところを、助けてくれてありがとう・・・」

「?? 僕の方こそ、デリケートかつグラマラスなおしりが、
 おかげで助かったクマ!」


少し落ち着いてきたシーちゃんは、
彼が落ちてきたであろう上空を見上げました。

「どうして、あんな高いところから落ちてきたの?」

「コレを採っていたんだクマ!」

男の子が差し出したのは、甘い蜂蜜がたっぷり詰まった、大きな蜂の巣!!


「・・・ん? これは何クマ?」

蜜でベタベタの蜂の巣には、何やら植物がたくさん貼り付いていました。

バレンタイン8.jpg

「あっ!!! それは・・・」



目をぱちくりさせた後、シーちゃんは、
くしゃくしゃになって笑いました。




バレンタイン2.jpg

〜〜〜


部屋の壁には、少し大きくなった弟が、満面の笑みでトロフィーを持つ写真。
おなかには、くっきりとした赤い紋章が輝いています。

出窓で優しく揺れる森々ハタラク草を見て、微笑んだシーちゃんは
今度は自分のために、ボウルをかき混ぜ始めました。

バレンタイン5.jpg



 ◆◆◆



ピンポーン
「ちわーす! どらねこヤマトでーす!」


「なんだ!? ケル坊!
 シー姐さんから、やたらでかい荷物が届いたぞ!!」


バリバリ
「こ、これは・・・!!」


ダンボール箱の中には・・・

大好物である鮭の形をした大きなチョコが、
ぎっしりと詰まっていたのでした。
バレンタイン3.jpg


《第17話へつづく!》


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  • 2014.02.14 Friday
  • 08:00

ゆるくまにあ!

ゆるくまにあ! 《第15話》

JUGEMテーマ:ものがたり


今日は2月3日、節分です。

ウメッピの住む偕楽園には、
めいめい鬼のお面を持参したケルくんたちが集まっていました。
笠間稲荷からやってきたイナリくんも、元気に跳ねまわっています。

「お面で僕のイケメンフェイスが隠れてしまうのは、かなり残念なことクマ」

「おいらはこれ! じゃーん! 兄者が、用意してくれたんだよ!」

「あっ 僕のお面と似てるクマ〜」

ケルくんたちは、はしゃぎながらお面をつけ始めました。


「みんな、本気度が足りないのよ!」

バッグから、ごそごそとお面を取り出して装着するシーちゃん。

「災厄、つまり疫病や災害、全ての不幸の象徴たる鬼を、
全力で追い出し、断固阻止しなければならないのに・・・
そんなお遊戯みたいなお面で臨もうだなんて、甘すぎるわ!!!」 カッ

(え! 怖っ!!!!!)

振り返ったその姿に、戦慄するウメッピ。
節分1.jpg

「シー姐さん、そのお面は
可愛くリボンつけてみても、アウトっす!!」

「私は、何事にも全力で取り組む主義なのよ!!!」 ズイッ

「ひっ!?」

至近距離で凄まれて、震え上がるウメッピ。


「しょうがないわね・・・
・・・じゃあ、こっちにするわ」

シーちゃんは、チラッとケルくんの様子を窺うと
バッグからもう一つのお面を取り出して、付け替えました。

「これでいいわね!」 バーン

(リアルすぎィ!!!)
節分6.jpg

「むむ!? 前が見えないクマ〜」

イナリくんを追いかけて走りながらお面をかぶったケルくんは、
突然、視界が真っ暗になってパニック!

「わっ わっ・・・ うわわ〜!!!」


ドシーン


「いたいクマ〜」

「バカじゃないの!?
お面の目の部分は、ちゃんとくりぬきなさいよ!!」 アチョー!

ザクッ

前が見えず柱にぶつかってひっくり返ったケルくんに、
シーちゃんがチョキで目潰しを食らわせます。

(うわあ・・・)

思わずウメッピは自分の目を押さえますが、
ケルくんはダメージよりも、お面の目の部分があいて嬉しそうです。

(ケル坊・・・ 打たれ強いというか、
ある意味、器が大きいというか、なんというか・・・) ホロリ


諦めて、皆に福豆の入った枡(ます)を配るウメッピ。

「地域によっては、伝統的に大豆じゃなく
殻に入った落花生を撒くところもあるそうだぞ!」

「落ちた豆も、全部食べられてお得クマ〜」


「では、位置について・・・ 始め!!」 ピーヒョロ−

ウメッピの笛の合図で、豆まき大会が始まりました。
節分7.jpg


「さあ! はりきっていくわよ! 鬼は〜外っ!!!」

シーちゃんは、早速枡に手を突っ込むと、美しいフォームで豪快な豆まきを始めました。その堂々たるや、往年の横綱が繰り出す塩まきのような貫禄です。

ズバババババババ

豆をくらったケルくんが、障子ごと庭先にふっとんでいきます。
心なしか嬉しそうです。

「ウフフフフいい気味!!!
せいぜい逃げ惑うがいいわ!!!」 ズバババ

(鬼よりもシー姐さんの方が恐ろしいのは、気のせいだろうか)


キャッキャッ

ガタン! バタン!
ドドドドドドド

(あわわわわ・・・)

偕楽園の、世界文化遺産への登録を目指しているウメッピは
予想外の猛烈な豆まきに、内心ヒヤヒヤで変な汗をかき始めました。

バリーン! ドーン!

(ああっ 貴重な襖絵が・・・!!)

「クマ〜」

「!?」
節分4.jpg

ウメッピが最後に見たのは、
視界いっぱいに迫ってくるケルくんのおしりだったのでした。




   ◆◆◆




「・・・う、 うぅ・・・ いてて」

ハンカチに包まれていたウメッピが目を覚ますと、

目の前に、それは大きな海苔巻きが・・・ もとい、
ちょうどケルくんが、大きな海苔と寿司飯で、恵方巻きにされているところでした。

「邪魔なのよ! 勝手につまみ食いしないでちょうだい!!!」

「わーい、ぐるぐる巻きだああ」

「目が回るクマ〜」


ムギュギュー


すしエンターティナーと、
飾り巻き寿司マスターインストラクターの資格を持つシーちゃんによる、
ピタリと寸分違わぬローリングテクニックで、ケルくんは美しくギュギュッと巻き上げられています。

寿司職人養成学校をトップで卒業したシーちゃん特製の寿司飯は、
味はもちろんのこと、色といいツヤといい、最高の出来です!

「動けないクマ〜」

(ケ、ケル坊---------------------!!)
節分8.jpg

「さて、邪魔者もいなくなったし・・・」

シーちゃんは、太巻きの中でジタバタもがくケルくんを尻目に
色とりどりの美しい恵方巻きを作り始めました。


「ウフフフフ!! 節分って、本当に楽しいわね!!」 ギラッ

もち魔人が、やられたああ!!!」

「すっぱいクマ〜 目がしみるクマ〜」

(オレは一体どうしたら!?)


一方・・・

《皆、楽しそうじゃのう》
節分5.jpg

《今年の恵方は、「東北東」じゃったな・・・ 
ほほ! こりゃあ旨い!!》

ほころび始めた梅の蕾の下で、こっそり拝借してきた恵方巻きを
口いっぱいに頬張って満足気な長老だったのでした。


《第16話へつづく!》


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  • 2014.01.31 Friday
  • 08:00